笑顔と向上心が生まれる

お客様の「おいしい」に笑顔して 主体性と向上心が生まれます

エスプリドゥの提供する生産活動は、パン屋を運営していくにあたり必要な作業が網羅されています。

体験利用時からスタッフが、アセスメントを実施して、やりたいこと・できること・てがかりがあればできそうなこと・得意不得意なことなど を把握します。

パン作りをつうじて、社会の一員としての自覚を持ち、主体性や自主性が向上するように支援計画を組み立てていきます。

パ
①生地を同じ重さに分ける ②生地を丸める ③具材をつつむ・のせる ④卵を塗る・トッピングをする ⑤オーブンにかける ⑥包装する ⑦賞味期限シールに日付スタンプを押す ⑧賞味期限シールを貼る
①パンを店に並べる ②お客様が買われた品物を袋に入れる ③レジ打ちする ④店舗の掃除をする
①道具を洗う・水気をふき取る・保管場所に戻す
①作業台を拭く・消毒する ②床のごみを取り除く・水ぶきをする・水気をふき取る ③トイレの清掃をする
①ユニフォーム等の洗濯物を洗濯機にかける ②洗濯物を干す・たたむ・保管場所に戻す

エスプリドゥでは、「社会生活のルールを学びながら 仕事をする習慣を身につけ また喜びを感じられる場の提供」を基本理念にかかげています。

支援事例

不安が強く、作業時間を延ばしていくことに課題がある利用者様の事例を紹介します。

  • A様(40代・男性)
  • 統合失調症 障害支援区分3

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―課題―

  • 活動意欲は低くはないが、緊張しやすく居室にこもりがちである。
  • 緊張が強いと発作(本人の表現)が起こり、そこから調子を戻すのに数十分から数時間かかる。発作の内容としては、頭がグワングワンする(本人の表現)、強い手の震え等がある。

―支援の内容―

【ご本人が「できる」と思える範囲での取り組みを開始 〜スモールステップ〜】

ドゥの利用以前は、他法人の生活訓練に週 1 回利用されていた。ご本人の目標である「一般就労」を視野 に入れた場合、障害者雇用だとしても週 4 回以上働く体力や気力をつけていくことが望ましいと考えられたが、どうしても発作が起こるのではないかという予期不安があり、「頑張っても週 2 回が限度です」と発言されるため、利用開始時は週 2 回から通所することに決まる。

【きちんと通所できていることを承認する 〜自信をつける〜】

通所できないというわけではないが、『ちょっとした体調不良』や『なにか用事が入ってしまう』等で決まった日に通所できないことが多々見られた。それは体調が万全であることを重視した本人なりの慎重な行動だった。毎月確実に通所を重ね、作業にも慣れていくことができたため、スタッフはそれを承認し、少しずつチャレンジする機会を作りだしていくことにした。

【限界と思われることに挑戦する 〜チャレンジする〜】

『少し調子が悪いかもしれないけど』『次の日に影響があるかもしれないけど』1 か月に 1 度は、週 3 回通所する週を作ってみよう、ということで本人と話し合いを行った。その結果、作業時間を少しだけ短縮し、週 3 回の通所を目指すということに決まる。出発前に少し手の震えがあっても、作業中に強く震えてしまうことがあっても、時々お休みすることがあっても、時間の経過とともに通所状況は、安定してきた。

【体験を振り返る気づきを促す 〜事実を振り返る〜】

作業終了時には振り返りを行った。ご本人はすがすがしい表情で「もう限界でした。震えも強くなってきてしまって」とお話されることが、よくあった。そして「この日通所できたことと、通所時に取り組んだあんぱんがきちんと焼きあがっていること」は事実として、ご本人と共有することを意識した。この振り返りを毎回繰り返しおこなうことで、現在は安定した通所ができるようになっている。

この事例では、いわゆるスモールステップと神経症のアプローチを併用しました。限界と思われる中でもできそうなことを探し、大変かもしれないけど取り組んでみて結果を振り返ります。結果がポジティブであることも少なくなく、限界でないことがわかってしまえば、次はそれ以上 のことに取り組むことが可能となります。もちろん一進一退ではありますが。そうであっても着実に前進することができています。

注意散漫になってしまうことに課題がある利用者様の事例を紹介します。

  • B様(20代・女性)
  • 愛の手帳3度 障害支援区分2

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―課題―

  • いろんなことに興味関心が移り、注意を奪われ作業に集中できない。
  • 注意を奪われている間は、職員の声かけが入っていかない。
  • 任された作業と関係のない、ご本人が関心が向いたものに注目し、自分ごのみに並べなおしてしまう。(例:パン作り中に、トングを整列させるなど)

―支援の内容―

【何に関心があるのかに注目をする 〜課題分析〜】

まず、職員全員で本人の普段の行動を分析した。具体的には、職員が本人になりきって普段の行動を再現し、『本人目線だと何が目に飛び込んでくるのか?』『そこから何に気を取られそうか?』を実施し、日々の観察から得た情報から、何に注目しているかを話し合い行った。

【注意の対象になるものを片づける 〜構造化1〜】

通所できないというわけではないが、『ちょっとした体調不良』や『なにか用事が入ってしまう』等で決まった日に通所できないことが多々見られた。それは体調が万全であることを重視した本人なりの慎重な行動だった。毎月確実に通所を重ね、作業にも慣れていくことができたため、スタッフはそれを承認し、少しずつチャレンジする機会を作りだしていくことにした。

【スケジュールを作成する 〜構造化2〜】

スケジュールボードを実際の作業で使用してもらい、職員は行動を観察した(スケジュールボードは、チェックボックスとマグネットが用意されており、完了した作業のボックスにマグネットをつける形式のもの)。何かに注意を奪われてもスケジュールに立ち返ることで現在の進捗を自分で確認することができ、主体的に作業に取り組むことができることを期待して作成した。スケジュールの使用後も。時々何かに注意を奪われるため、その都度、ボードに立ち返れるようにジェスチャー等で促しを行った。ボードの使用が定着するまでこれを続けた。その結果、スケジュールを見ながら日々の作業に参加できるようになった。

この事例では、いわゆる課題分析と構造化をしました。構造化とは、わからないことやわかりづらいことをわかりやすくすることを言います。構造化は物理的構造化、スケジュールの作成です。見えてなければなんお刺激も受けません。その上で注目して欲しいスケジュールに注目してもらいました。そのスケジュールにはチェックボックスとマグネットが用意されており、完了した作業のボックスにマグネットをつけます。何かに注意を奪われてもスケジュールに立ち返ることで現在の進捗を自分で確認することができ、主体的に作業に取り組むことができます。

作業内容を組み立てることに課題がある利用者様の事例を紹介します。

  • C様(20代・男性)
  • 愛の手帳3度 障害支援区分2

事例を詳しく見る

―課題―

  • 自分が取り組む作業が多岐にわたると、何から始めたら良いのかわからなくなってしまう。
  • やることがわからないから苦手意識が芽生え、午後作業を休みがちになってしまう。

―支援の内容―

【焦点を絞り、ご本人の要求を聴きだす 〜課題抽出〜】

午前午後活動することになっている利用者様だったが、お昼休みになるとスタッフに声をかけてはあれこれ理由をつけて帰ろうとすることが度々あった。そのような時は、10 〜 15 分間、ご本人と話をしてみるものの、困っている内容は業務とは関係ないものも含まれ、何をどうするとご本人の問題が解決するのかが見えなかった。次に、目標を達成するためにお互い何ができるかという点に的を絞り、職員が手伝えることと本人が頑張ることを決めて約束をすることにした。ご本人から出てきたのはシンプルなもので、「次に自分が何の業務をするのかを分かるようにして欲しい」というものであった。

【ご本人の興味を利用したツールを作る 〜構造化〜】

ご本人が時間内に取り組むことについてリストを作った。さらにそのリストに興味を持ってもらえるように、ご本人が好きなアニメの世界観を取り入れることにした。

準備は1. 2. のみ。

  1. スタートからゴールまでの間に、本人が取り組む作業を写真で 示し、写真裏にマジックテープをつける
  2. 絵カードを作りその裏面にもマジックテープをつける

作業が終わり、次の作業に移る時に、その絵カードを移動させることによって、ご本人だけで作業スケジュールとその進捗を把握できるようになった。結果として、午後の作業の参加率が向上し、週 20 時間の活動ができるようになった。ご本人と達成感を共有し、成果をご家族と関係機関とも共有をした。ご本人の目標である就労移行支援事業 A 型へ体験利用する段階まで前進している。

この事例では、スケジュールを示し、進捗を確認できるようにしていくことに加え、本人が楽しく取り組めるように工夫をすることで、本人の活動動機を向上させることができました。きちんと取り組み、達成感を得て帰ることにより、本人も自信がついてきます。好循環がうまれることは安定した通所にもつながっていきます。

1日の流れ

エスプリドゥの利用者様の過ごし方を大まかにお伝えします。

8:50 開場(8:50 より早く来ても、職員不在のため入れません )
9:00 朝礼(その日の作業内容、流れについてご説明します。当日の昼食提供の希望についての確認をします)
9:05 作業の時間(10 ~ 15 分の休憩が 2 回あります)作業の種類はこちら
11:50 昼礼
12:00 昼食
13:00 作業の時間(10 ~ 15 分の休憩が 2 回あります)作業の種類はこちら
15:30 終礼