小さな一歩を重ねて──Yさんの卒業が教えてくれたこと

「きっかけは、控えめな笑顔から」

20代の女性、Yさん(仮名)が私たちの施設に通い始めたのは3年前のことでした。
優しくてまじめ、そして手先がとても器用な方でしたが、最初はどちらかというと控えめで、自分から積極的に発信するタイプではありませんでした。表情もどこか緊張していて、「ここでうまくやっていけるかな」と、不安を抱えているように感じたのを覚えています。

それでもYさんは、毎日コツコツと作業に向き合っていました。特にパン作りでは、一人で食パンを作り上げる工程を丁寧にこなし、その姿からは真剣さと誠実さが伝わってきたんです。


「こんな変化がありました」

Yさんの素敵なところは、周囲への優しさでした。
自分とは異なる障害特性を持つ利用者様に対しても、自然に、そして穏やかに関わる姿が印象的でした。言葉数は多くなくても、その場の空気を和らげるような存在だったと思います。

また、韓国のことやコスメの話など、趣味の話題になると、ぱっと表情が明るくなり、笑顔で話してくれることもありました。その姿を見るたびに、「Yさんらしさ」が少しずつ表に出てきているように感じていました。

作業面では、オーブンでパンを焼く担当を任されるようになり、お菓子作りにも率先して取り組むように。回数を重ねるごとに精度が上がり、自信が積み重なっていく様子がよく分かりました。


「その先に見えたもの」

通い始めた頃は緊張感のあった表情も、次第に穏やかになり、笑い声が聞こえる場面も増えていきました。
就職についても、最初は「将来的にできたら…」という少し距離のある捉え方でしたが、自分の中で目標がはっきりしてくるにつれ、「一般就労を目指したい」という想いを口にするようになっていったんです。

そしてYさんは、就労移行支援事業所へ移り、一般就労を目指すという次のステップを選ばれました。
その決断をしてからのYさんは、本当に行動的でした。分からないことは自分から確認し、新しいことにも前向きに挑戦する姿が印象的で、「覚悟を決めた人の強さ」を感じさせてくれました。

その姿を見ながら、支援者としては「もっとできることを」「新しい作業も任せたい」と思う場面もありました。ただ同時に、Yさんご本人のペースやニーズとずれていないか、常に立ち止まって考えることの大切さも学ばせてもらいました。


「この仕事を、誰かに伝えたくなる理由」

卒業するということは、また一から新しい場所で過ごすということ。
それはとても勇気のいる一歩だと思います。不安がまったくない人はいないはずです。

それでも、自分の目標や希望に向かって、小さなことをコツコツ積み重ねていく。その大切さを、Yさんは3年間の歩みを通して教えてくれました。

支援とは、前に引っ張ることではなく、その人の隣で、同じ歩幅で歩くこと。Yさんの卒業は、私たちに改めてその意味を思い出させてくれた、大切な節目でした。


📣 見学・相談、いつでもお気軽にどうぞ

私たちの施設では、一人ひとりのペースや想いを大切にしながら、日々の支援に向き合っています。
「どんな場所なんだろう」「自分に合うかな」と感じている方も、まずは見学やご相談からで大丈夫です。

新しい一歩を踏み出すその時に、そっと寄り添える場所でありたいと思っています。
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